バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

書こう書こうと思いつつSeanのお誕生日やら母の日やら何やらで段々後回しになって日本ではとっくの昔に封切りされ、もしかしたらロードショーもそろそろ終わっちゃうんじゃないかという危惧まであるという、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(リンクは思いっきり音出ます)。

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ワタクシ個人的に監督のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(長い名前ね)が好きなのでツボなのは間違いないんだけど、今回のはシリアスじゃなくてブラックコメディーでしたね。まあ大体彼の作風っていつもちょっと難解ではあるんですがこれはブロードウェーのバックステージ物的な感じでこれまでに比べると数段一般ウケしそうな気がする。だからオスカーの作品賞やら監督賞やら獲ったんでしょうね〜。何より良かったのは俳優陣。これまでず〜っとご無沙汰だったのではないかという懐かしいマイケル・キートンがかなり頑張ってたのがイイね〜。彼のこれまでのキャリア(主にバットマン)とこの映画の主人公が思いっきりかぶって入魂の演技でオスカー獲らせてあげたかったけど、残念ながらお若いエディ・レッドメインにさらわれてしまった。「レスラー」のミッキー・ロークの例もあるし、会員はカムバックには結構冷たいのね。
それとこの映画のもう一つの主役、舞台の演目がワタクシの愛する作家、レイモンド・カーヴァーの「愛について語るときに我々の語ること」っていうので、どんな風になるんだろうかと興味津々だったのであった。
ま、カーヴァーの舞台そのものに関しては断片的にしか出てこないのでもう一つの主役と言ってもなんなんですが、それでもブロードウェーの舞台裏からゴシップから批評家とのバーでのやりとりの応酬やら楽しかったです。特にマイケル・キートン演じるリーガンが自分がかつて演じたスーパーヒーローのバードマンの幻覚に惑わされるあたりなんかキッチリ特撮入っててシュールな感じが良く出ておりました。
それにしてもこの映画、どういうわけかパンいちスタイルの多い映画でしたね〜。
のっけからこれで

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マイケル・キートンパンいち浮遊中。
エドワード・ノートンも負けじとパンいちでバトル

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ビキニだし(笑)。
挙句に締め出されてブロードウェーをパンいちで闊歩するはめに

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これはオスカーでもパロってましたね。
いや〜俳優稼業もラクじゃないね。特に体に自信ないと(笑)。
とにかくこの映画のすごいところはカットがされてないように見えることですね。超長回しっていうかず〜っと回してるかのような編集でなんとなくどこで切ってんのかな〜と探しちゃったりして。でも編集賞はセッションに持って行かれちゃいましたが。ううむ。
そしてオスカー受賞の撮影がこの監督にしては色彩豊かで、幻想かはたまた現実なのか曖昧なところがうまく表現されてましたね。
ワタクシが一番好きだったのはこのシーン

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リカーショップの電飾がどういうわけか唐辛子。韓国人経営なのかしら(笑)。
最終的には劇中劇の舞台でリーガンがわざとなのかどうなのか小説通りにピストル自殺未遂になってしまい(小説では昏睡後死んでしまう)入院となるわけですが、これをきっかけに不仲の元ヤク中の娘と和解してハッピーエンドなのかな〜と思ったら

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これで終わってしまったというね。
このでっかい目のエマ・ストーンだったからこそこのシーンが生きるというか、大は小を兼ねるとはよく言ったもんだ。
この余韻を残して終わるというか、「え、そこで終わっちゃうんですか?」的に読者を置き去りにしてしまうような(この場合は観客ね)エンディングはなんとなくカーヴァー的なんじゃないかとワタクシは思いましたが、カーヴァーご存知の方々いかがでしょうか。
ワタクシはリーガンが飛び降り自殺してその魂がバードマンとなり昇天するのを娘が見てる、なんて感じではなかろうかと思いましたが。おっとなにげにネタバレしちゃいましたね(笑)。

バックにず〜〜〜〜っと流れてたドラム、最初はカサコソカサコソという感じで聞こえてて「なんだこの雑音?」みたいに思ってたら実はドラムだったというね。映画のシーンに合わせてほぼ即興で演奏されたそうで。
DVDはまだだけどサントラは聴けますぞ。

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