父の日に

父の日に

昨日は父の日だったらしいですね。
そう思って昨日の朝SeanにはPaulに父の日おめでとうなりなんなりと言いなさいよと予め伝えておいたので、Paulが大物洗濯物をコインランドリーで乾かして帰ってきたタイミングで「Bonne fête des pères, Papa!」(父の日おめでとう)とSeanが言ったところ「ありがとう、でもベルギーは先週だったんだよね」ってPaul。え、そうだったの?ワタクシが目にする媒体ではどこも20日が父の日と連呼してたんでてっきり昨日が父の日だとばっかり(汗)。なんかね〜どうしてあちこちで母の日やら父の日が違うわけ?統一してほしいんですけど。まあ、父の日祝ったところで特に何かをプレゼントするわけでもないんで(ワタクシだってなんにもいただいてませんから)気持ちだけってことで(笑)。
ところで、現在巷はEuro 2020(2021だけどオリンピック同様延期されて今年開催)で盛り上がってるんですが、ベルギーと同じグループの最初の試合のデンマークタイフィンランドの試合でデンマークのエリクセン選手が突然ピッチで昏倒したのはまだ記憶に新しいと思うんですが。あの試合をワタクシとSeanは時間差の録画で観てたんですが、ワタクシはサッカーは特に興味ないんでSeanの隣でiPadを見てたんですが、ふと気がつくとTVでなにやらバタバタしてるんでどうしたんだねとSeanに聞いてみたら「選手が倒れちゃったんだよ」と。なんだなんだとその場面をリプレイしてみたら本当にボールが足に当たったと思ったらそのまま頭からパタッと倒れ込んじゃってそのまま動かなくなってしまったみたいなんざんすね。なんだか目を開けたまんまで意識なさそうだし、その後はわらわらと選手やら救護の人やらが集まってきて心臓マッサージしたりと騒然となったと。あれは見ていて結構ショッキングなシーンでありました。
で、そのエリクセン選手が無事に退院したそうなんですが、ニュースでは手術をしたそうで心臓にICDという装置を埋め込んだそうな。ふ〜んそうなのと読んでて、このICD(植込み型除細動器 – なんか一見庭仕事用の機械みたいな名前じゃないか)という装置の機能に何となく思い当たるところがあったワタクシ。
CNNのニュースによると「英国心臓基金によると、ICDは心拍数を監視する目的で皮下に埋め込まれる小型装置。細い電線で心臓に接続され、電気ショックを通じて不整脈を調整することができる。」という機能があるらしいんですが、これがPaulが入れてる装置と全く同じなんで、アライヤだ、Paulったらこういう生命に関わるような危ない人が入れるのと同じのを入れてるわけ?と本人に確認してみたところ確かにおんなじヤツだそうな。いやいや・・・コワいじゃないの。
実はPaulがこのICDを埋め込んだのはまだSeanが幼稚園に入ったばかりの頃の話なんですが、たまたま夜まったりと横になってるときにワタクシがPaulの心臓の鼓動を聞いてみたらなんとなくものすっごい不規則な鼓動だったんで(トントントンと打ったかと思うとしばらく止まったり、なにやらモールス信号みたいな感じ)こりゃマズいんじゃないかと検査に行ったところ思いっきり不整脈でしかも心臓の弁にもなにやら不具合があるとかないとか。なんというかある意味ワタクシのお陰で命拾いしたと言っても過言ではないPaulなのであった。でもこのICDを入れる手術も順番みたいなのがあるらしく、しかも装置自体がやけに高価なもの(ウン万ユーロとかするんだそうな)なんでなかなか手術してもらえなかったんですが、ワタクシとSeanが日本に里帰りしてるときにおもむろに順番の空きが出たらしくワタクシになんのことわりもなくあっという間に手術をしちまったといういわく付きの装置なんざます。そんな心臓に装着する装置なんだから当然全身麻酔なのに家族の同意もなく(Paulは心配させたくないからと両親やきょうだいにも黙って一人で病院行ったらしい)手術しちゃって良いんですかね?日本だったらありえないんじゃ?後でPaulの友人PPにこの話をしたら「子供じゃないんだから誰かに許可もらわずにやったって全く問題なし」なんてサラリと言われちゃいまして、オイオイそんな「オレってオトナなんだから勝手に手術するし〜それで死んだって自分の問題だから〜」なんてことはないんじゃないの。ワタクシ日本でいきなり「病院ナウ」みたいなSMSが来てぶったまげたんですが思いっきり事後報告でそりゃもうカンカンに怒りましたわ。当時Seanだってまだ小さかったしなんかあったらどうするつもりだったのかと思うじゃありませんの(どうやら万が一のためにワタクシの連絡先は病院に渡してたらしい)。そんな個人的な経緯があるICDで、ちょっと当時のことを思い出しちゃいました。このICD、メンテナンスを数年に1回するらしく、Paulは既に1回そのメンテナンスを終了済み。あのエリクセン選手も一生この装置を入れて生きて行かないといけないかもしれず、この先サッカー選手としてプレイするのはどうなんだろうか。
そんなこんなを父の日と思い込んでた昨日、ふと思いを馳せてしまったのでありました。だって、ワタクシの父はもういないんで、父の日を祝うこともできませんしね・・・。できればSeanのためにもPaulにはできるだけ長生きしてもらいたいもんだと思っとります。

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